症状や治療内容については、大人も子どももほとんど違いはありません。 しかし、症状や異変に気づきにくい耳鼻科という分野は、大人ほど明確な意思表示ができず、無意識の行動が多いお子さまと深いかかわりがあります。 耳や鼻の疾患対策は、保護者さまの「ご注意」「お気づき」がとても大切な要素となっております。 お子さまの鼻や耳についてのご不安、お悩みなど、何でもお気軽にお尋ねください。
大人であっても、強い力での耳かき、高い頻度の耳かきは外耳道を傷つけてしまいます。
保護者さまがお子さまの耳を掃除する際には、「きれいにしてあげたい」という気持ちから、耳垢を過度に除去してしまいがちです。耳垢にも、耳の環境を守るための大切な役割があるのです。強さ、深さ、頻度など、加減がわからない、という方も多くいらっしゃいます。一度、当院にご相談ください。ご家庭でもできる、耳に優しい耳掃除をアドバイスさせていただきます。
幼いお子さまがご自分で耳掃除をするのは危険です。
まずは、お子さまの手の届く場所に耳かきを置かないようにしましょう。頻繁に掃除をする必要はないこと、常に耳垢がない状態は却って耳によくないことを教えてあげてください。そして、お子さまより先に保護者さまが正しい耳掃除の仕方を身につけていただくことが大切です。生活習慣のうちの一部として、正しい方法を教えてあげてください。
鼻いじりは、多くのお子さまがしてしまうことですが、癖になると鼻腔を傷つけてしまいます。鼻血が出たり、炎症を起こすこともあります。
鼻いじりの原因のひとつとして、鼻水が気になってしまう、ということがあります。 まずは鼻水を止める治療を受けましょう。鼻水が止まれば、鼻いじりをしなくなることがよくあります。
鼻水自体は、鼻腔の湿度を適度に保ち、呼吸の際の空気をろ過する大切な役割があります。しかし、鼻水が止まらないとなると、アレルギー性の鼻炎の可能性もありますし、日常生活に支障をきたしたり、鼻いじりの原因となったりします。お子さまは、止まらない鼻水に対しては「すする」という行為を行いがちです。強くすすると耳に悪影響を及ぼしますので、正しい鼻のかみ方を教えてあげてください。当然ですが、過剰に分泌される鼻水、特に粘っこくて黄色や膿のような色のついた鼻水は要注意です。早期に耳鼻科を受診してください。
3歳までのお子さまの約8割が、一度は急性中耳炎にかかっています。痛み、発熱、耳だれ、耳が詰まったような不快感を引き起こしますが、正しい治療を行えば比較的短期間での治療が可能です。急性中耳炎の主な原因のひとつである風邪は、免疫力の低いお子さまへのリスクが高く、風邪をひかないこと、風邪をひいても早期に、最後までしっかり治療を行うことが大切です。
耳や鼻は顔と近いため、触られるのを極端に怖がるお子さまがいらっしゃいます。治療に支障をきたす上、治療効果にまで悪影響を及ぼしかねません。 まずはご家庭において、保護者さまが日頃からお子さまの耳や鼻を注意して観察し、人に触られることに慣れるのが第一歩です。 お子さまご自身では気づきにくい異変を、早期に発見できることにも繋がります。